• "テスト"(/)
ツイート シェア
  1. 愛媛県議会 2019-08-06
    令和元年農林水産委員会( 8月 6日)


    取得元: 愛媛県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-05
    令和元年農林水産委員会( 8月 6日) 農林水産委員会会議録   〇開催年月日  令和元年8月6日(火) 〇開会時刻   午前   10時 〇閉会時刻   午前   11時40分 〇場所     農林水産委員会室 〇審査・調査事項等  〇 西日本豪雨災害からの農林水産業の復旧・復興について 〇出席委員[8人]  委員長     高橋  英行  副委員長    赤松  泰伸  委員      浅湫  和子  委員      石井  智恵  委員      宇高  英治  委員      岡田  志朗  委員      山崎  洋靖  委員      渡部   浩
    欠席委員[0人] 〇その他の出席者[0人] 〇出席理事者[19人]  農林水産部長      田所  竜二  農政企画局長      赤坂  克洋  営業副本部長      八木  一成  農業振興局長      道菅   稔  農業振興局技術監    小崎  勝次  森林局長        山田  裕章  水産局長        岩井  誠司  農政課長        阿部  恭司  農地・担い手対策室長  小西  圭二  農業経済課長      藤井  大輔  ブランド戦略課長    高岡  哲也  農地整備課長      越智  龍太  農産園芸課長      清水  伸一  畜産課長        手島  有平  林業政策課長      西浦  政隆  森林整備課長      尾花  充彦  漁政課長        橋田  直久  水産課長        前原   務  漁港課長        津田   哲                   午前10時 開会 ○(高橋英行委員長) ただいまから、農林水産委員会を開会いたします。  なお、八十島営業本部長及び久保営業本部マネージャーは、本日経済企業委員会に出席しておりますことをお知らせします。  これより議事に入ります。  本日の会議録署名者岡田志朗委員、浅湫和子委員を指名いたします。  本日の議題は、西日本豪雨災害からの農林水産業の復旧・復興についてであります。  議題について理事者の説明を求めます。 ○(農政課長) それでは、西日本豪雨災害からの農林水産業の復旧・復興について御説明をいたします。  本日は、目次に従いまして、Ⅰ番、農林水産部関係被害状況、それから、Ⅱ番、復旧状況、Ⅲ番、分野別の詳しい復旧状況について御説明をさせていただきます。  それでは、まず、資料1ページを御覧ください。  農林水産部関係被害状況についてでございます。  本県の被害総額は約655億円で、平成になって最も被害の大きかった平成16年度の台風被害額約314億円の2倍以上となっています。内訳は、農業関係が約475億円で全体の72.6%を占め、林業関係が約175億円で26.7%、水産関係が約5億円で0.8%となっています。  2ページを御覧ください。  こちらはエリア別の状況です。南予の被害額が約475億円と格段に大きく、全体の7割以上を占めており、次いで中予が約102億円で15.6%、東予が約77億円で11.8%となっています。  市町別に見ますと、最も被害額が大きかったのは宇和島市で、約260億円と全体の39.8%を占めています。また農林水別被害内訳は、農業被害が約216億円で83%、林業被害が約42億円で16%、水産被害が約2億円で1%となっております。  2番目は、西予市の約99億円で、うち農業被害が約66億円、林業被害が約33億円となっています。  3番目は、松山市の約75億円で、うち農業被害が約66億円と、ほぼ9割を占めています。  以下、今治市61億円、大洲市59億円、鬼北町19億円、伊予市18億円となっており、松前町を除く全ての市町で甚大な被害が発生しました。  次に、農林水産部関係復旧状況について御説明いたします。  3ページを御覧ください。  この表は、先ほど御説明した被害状況のうち、主な項目について、国や県の災害復旧予算あるいはグループ補助金等を活用して災害復旧に取り組んでいる箇所の6月末現在の進捗状況をまとめており、復旧が完了した件数及び復旧作業中の件数の割合を進捗率として記載しております。  なお、国や県予算で対応する箇所以外につきましては、市町の単独事業や保険の活用、自力復旧等で対応しております。  まず、農業関係でございます。(1)番の農地から(4)番の農道につきましては、主に市町が事業主体となって災害復旧工事に取り組んでいます。農地の進捗率が15.2%にとどまっているのは、再度の被災防止のため、土のう設置などの応急措置に優先して取り組み、これに約1年を要したことによるものであり、現在、年度内の工事着手に向け、測量設計が進められています。ため池及び農業水利施設の進捗率は25.3%ですが、ともに8割以上の箇所で代替水源が確保されています。農道の進捗率は51.4%ですが、被害件数全体の73.0%で部分通行または迂回路が確保されています。農業用ハウス等は、被害全体の96.7%で復旧が進んでおり、畜産用施設は38件全てで復旧が完了しています。  林業関係のうち、林地については、災害関連緊急治山事業を活用して早急に復旧する必要がある被災林地47件のうち、46件で復旧が進んでおります。林道は、災害査定を受けた147件のうち、71.4%で復旧が進んでおり、林産施設等は進捗率が100%となっています。  水産関係のうち、漁具倉庫共同利用施設等の進捗率は100%となっており、漁港は12件全てで復旧が完了しています。  なお、今後の復旧作業に当たっては、進捗率の低い工事の促進が図られるよう、県としても被害が特に大きい市町を対象として実施設計書の作成を支援するなど、一層の対応強化に努めることとしております。  続きまして、農・林・水産の分野別に復旧状況を詳しく御説明いたします。  4ページを御覧ください。  まず、農業関係のうち、農地・農業用施設等の農地についてでございます。  宇和島市、松山市、今治市を中心に、樹園地が谷々で連続して崩壊し、収穫樹が流亡するとともに、スプリンクラーモノレール、農道などが農地とともに流失したため、周辺の園地の営農も困難となる状況となりました。また、西予市の山間部では水田被害が多数発生するなど、県下で608haの農地が被災しました。これらの復旧には、被害が軽微なものを除き、国の災害復旧事業を活用し対応することとしていますが、その後の降雨等による二次被害の防止や未被災園地営農継続支援のため、これまで土のう等を設置する応急措置農道水路等共同施設の復旧を優先して実施してきており、被害が甚大であったこともあってこの対策にほぼ1年を要し、農地の復旧に関しては、予定している95ha、679件のうち、103件、15.2%の工事着手にとどまっています。  県では、今回、大規模災害が適用される大幅に簡略化された災害査定の実施に伴い、今後、詳細測量設計に基づく国への変更手続が必要となっております宇和島市など、復旧業務に多大の時間と労力を要している市町に対し技術支援を強化するなど、復旧のスピードアップを図ることとしています。  また、復旧工事の本格化に伴い懸念される工事の入札不調につきましては、県・市合同の執行促進会議の開催等により、課題の共有や検討、情報交換等を行うこととしており、引き続き土木部や市町との連携を密にして円滑な執行に努め、全ての工事の今年度内の着手を目指して取り組むこととしております。  5ページを御覧ください。  樹園地に係る具体的な復旧方法について御説明いたします。  今回の復旧に当たりましては、被災状況や地元の要望等を踏まえまして、原形復旧改良復旧再編復旧の3つの手法で対応しております。  まず、原形復旧は、上の図のとおり、被災した区域内において、排水性のよい土留擁壁を用いて被災前の形状に近い形で復旧する工法でございます。改良復旧は、下の図のとおり、隣接の未被災園地を含めて小規模の区画整理を行い、被災前より生産性の高い農地に復旧する工法となっております。崩壊被害のあった樹園地299haのうち、市町の単独事業などで対応する比較的軽微なものを除く419地区、約68haが国の災害復旧事業を活用した原形復旧または改良復旧施工箇所となります。  今後については、原形復旧を行う全ての地区で今年度内の工事着手を目指しており、改良復旧を予定している3地区につきましても、今年度内の工事着手を目指すとともに、中でも、松山市高浜地区は一部を年度内に完成させ、来春の植栽を目指しております。  6ページを御覧ください。  再編復旧は、大規模または連続して崩落した園地等におきまして、周辺の未被災園地も含めて園地の緩傾斜化や道水路を整備する区画整理を行い、災害に強く生産性の高い園地として再生する工法となります。昨年度から区画整理後の園地がイメージできる構想図を示すなどして、効果的復旧に向け地元の合意形成を後押しした県下10カ所のモデル地区のうち、松山市興居島の由良地区再編復旧を目指し、今年度から事業計画を策定しておりますが、このたび、宇和島市吉田町の白浦・法花津地区においても計画策定に着手することが決定いたしました。そのほか、今治市の盛・井口地区でも計画策定に向けて関係機関とともに地元調整を鋭意進めるなど、現在、県下6地区で再編復旧の事業化を検討しております。  7ページを御覧ください。  各地区の整備構想の概要を御説明いたします。  松山市興居島の由良地区では、被災した2団地を含む10団地、約10haで農地中間管理機構関連農地整備事業による区画整理を計画しており、今年度から計画策定に着手しています。本地区では、急傾斜で作業性の悪い園地をハウス栽培に対応した緩傾斜で車両の進入が容易な園地に整備する方針としております。  宇和島市吉田町の白浦地区では、法花津地区とあわせ玉津地区として再編復旧を目指しています。本地区では、災害により大規模に崩落した園地を切り崩し、その残土を谷部に盛り土することで、緩やかで災害に強く、収益性の高い園地に再生する方針としています。  8ページを御覧ください。  ため池についてです。  今治市、松山市、宇和島市を中心に多数被災し、人的被害はなかったものの、今治市大三島では、塔の外池が決壊し、下流農地が冠水する被害があったほか、上流からの流量が洪水吐きの能力を超え、堤体を越流したことによる堤体損傷、ため池内に土砂や流木が流入して貯水能力が低下し、農業用水の確保が困難となる被害が187カ所で発生しました。  一方で、上流からの土砂や流木を受けとめ、下流域の被害を軽減したため池も多くありました。これまで被災したため池の堤体に土のうやブルーシートを設置するなど、被災部分応急補強対策に努めるとともに、他のため池や取水堰から農業用水を融通するなど、代替水源の確保に努めており、用水の確保はおおむね対応できている状況です。  また、国の災害復旧事業に関しまして83件の工事を予定しており、着手率は25.3%ですが、今年度内に全ての工事の着手を目指しています。  なお、関連する事項としまして、国では、西日本豪雨災害を受けて、防災重点ため池の選定基準を見直し、本県でも防災重点ため池を従来の355カ所から1,755カ所に拡大して、ハード・ソフトの両面から対策の加速化を図っているほか、7月1日に施行されたため池管理・保全法により、行政機関や管理者の役割分担を明確にして、ため池管理の適正化に取り組み、ため池の安全性向上を図っています。  9ページを御覧ください。  農業水利施設についてです。  道路や樹園地の崩壊で埋設していたパイプラインスプリンクラーが多数損壊したほか、河川の増水により農業用の取水堰が損壊するなど、農業用水の確保が困難となる被害が県下1,273カ所で発生しました。このため、水田等では、被災を受けていない水系や施設からの用水確保、樹園地では、パイプラインの仮復旧などにより代替水源の確保に努めており、南予用水スプリンクラー施設の稼働率は96%まで回復しています。国の災害復旧事業では、293件の工事を予定しており、着手率は25.3%となっています。  今後は、今年度内に全ての工事の着手を目指しており、特に被害の大きい宇和島市や西予市では、県が畑地かんがい施設復旧工事49件を市から受託して実施するなど、復旧の加速化を図ることとしています。  10ページを御覧ください。  農道についてです。  宇和島市、西予市、今治市、松山市を中心に1,984カ所で土石流による路体の損壊・消失、上部の園地やのり面の崩落による農道への崩土堆積などの被害が発生し、営農作業に大きな支障が生じました。発災直後から農道管理者ブルーシート土のう等崩壊箇所を手当てするなどの応急対策や崩土の除去、迂回路確保などに努めたこともありまして、現在、宇和島市の大規模に崩落した樹園地を除き、農地への通作経路はおおむね確保できている状況です。  国の災害復旧事業では422件の工事を予定しており、着手率は51.4%、現場では、生活道路となっている箇所や関係者が多数になる箇所などを優先し、順次工事を発注しており、今年度内に全ての工事着手を目指しています。  11ページを御覧ください  海岸保全施設地すべり防止施設についてです。  海岸保全施設については、豪雨により背後の斜面が崩壊し、海岸護岸が倒壊したほか、地すべり防止施設では、排水路の損壊被害が多数発生し、合わせて41カ所の被害が発生しました。  県が管理する施設は、維持補修等で対応できる軽微なものを除く15件について災害復旧工事を予定しており、着手率は46.7%となっています。現場進入道路の復旧など、近接災害復旧工事との調整が完了しましたことから、8月末までに全件着手の見込みであり、今年度内の復旧完了を目指しています。  12ページを御覧ください。  農作物等のうち、農作物、樹体についてです。  宇和島市、松山市、西予市、今治市などで樹園地の土砂災害により、果実及び樹体が甚大な被害を受けました。また、大洲市や西予市など県下各地で、河川の氾濫や土砂災害により水稲や野菜で、土砂流入や冠水の被害も発生しました。主な被害としましては、柑橘果実が約793haで26億3,000万円、落葉果樹の果実が約22haで1億円、水稲が約455haで1億9,000万円、野菜・花卉が約72haで2億1,000万円、樹体が約451haで15億9,000万円となっています。以上の被害を合計いたしますと、被害面積約1,793ha、被害額47億2,000万円となります。  復旧状況は、被災圃場のうち、土砂や流木等が流入した水稲や野菜の多くの圃場で復旧が完了し、約75%が栽培を再開しています。土砂崩れ等により樹体被害を受けた果樹は、園地復旧の上、改植の準備を進めていく予定です。  13ページを御覧ください。  農業用ハウス等についてです。  県下各地で河川氾濫や土砂災害によりビニールハウスモノレール、倉庫などの農業用施設、さらには、トラクターやコンバインなどの農業用機械が大きな被害を受けました。主な被害としては、農業用施設が3,882件で27億9,000万円、農業用機械が7,828件で34億1,000万円となっています。  復旧状況は、ビニールハウストラクター等の被害の大部分で復旧が完了しているほか、被害の大きかったモノレール等柑橘関係の施設も約9割で復旧が完了しています。残る被害についても、9月中旬から順次始まる令和元年産の収穫までには再建可能な箇所は全て復旧できるよう進めていく予定です。  14ページを御覧ください。  共同利用施設についてです。  JAの組合員が利用する集出荷場選果場等は、4JA17施設が被害を受け、被害額は約4億400万円に上りましたが、強い農業づくり交付金グループ補助金等をフル活用して復旧を進め、これまでに16施設の工事が完了したほか、残るJA愛媛いき農産センターについては、ライスセンターを川沿いから高台へ移転工事中であり、9月中には完成する見込みとなっています。  15ページを御覧ください。  柑橘産地の復興に向けたソフト対策でございます。
     農作物と樹体の被害額47億2,000万円のうち、南予地域での柑橘被害は33億6,000万円と約71%を占めており、このため、南予地方局では、南予地域柑橘農業復興対策チームを設置し、産地の復興に向け一元的に対応しておりまして、ボランティアやアルバイターなどの労働力確保、大苗育苗の実証など生産量の回復、機械整備の支援などによる作業受託体制づくりの構築、早期成園化と高品質な果実生産のための新技術の導入などを推進しております。  16ページを御覧ください。  畜産のうち、畜産施設等についてであります。  主産地の南予地域を中心に、大洲市・西予市の酪農家40戸での生乳廃棄、牛と鶏、キジの溺死などの畜産物の被害のほか、県内唯一食肉処理施設1件を含む畜舎損壊等49件の被害が発生しました。そのため、国の事業を活用しながら、施設や機械類の復旧を進めるとともに、国補事業の対象外である地盤の修復や家禽の導入については、県独自の豪雨被害畜産担い手緊急支援事業により支援を行い、自力復旧等を除き、平成30年度内に復旧が完了しています。  また、今回の停電により生乳を廃棄せざるを得なかった状況を踏まえ、非常時における電源を確保するため、関係機関と連携して国補事業を活用した酪農家への発電機の導入を推進し、これまでに被災地域で発電機の保有率が10.4%から46.5%とふえておりますけれども、今後も引き続き発電機のさらなる導入や県域でのバックアップ態勢の構築に努めてまいります。  17ページを御覧ください。  食肉処理施設についてです。  県内唯一食肉処理場JAえひめアイパックスは、浸水被害を受けましたが、グループ補助金を活用するなど関係者の懸命な努力によって、昨年10月に操業を再開しました。また、操業停止期間中の生産農家の影響を最小限に抑えるため、国の事業や県独自の県産家畜出荷緊急支援事業により、県外出荷に係る輸送費支援を行い、生産農家の負担の軽減に努めました。  なお、アイパックスでは、現在、操業停止の主たる原因となった浄化槽、電気系統、冷蔵施設等を格納する施設内への浸水防止対策として、扉の防水加工や電気基盤のかさ上げ工事を実施しており、今年度内に完了させる予定となっています。  18ページを御覧ください。  林業関係のうち、林地についてです。  宇和島市、西予市、大洲市を初めとする南予地域や今治市島嶼部など17市町で山腹崩壊による人家、道路、農地等への土砂流出など246件の被害が発生し、被害額は約124億円に上っています。そのため、さらなる降雨等により荒廃地が拡大し、被害を与えるおそれがあるなど早急に復旧整備が必要な47件について、災害関連緊急治山事業により対応しており、うち46件は復旧に着手し、未着手の1件も含めて今年度中に全て復旧予定となっています。  また、その他の箇所についても、今年度以降の治山事業等により復旧を進めることとしており、特に被害が甚大であった6市町では、治山激甚災害対策特別緊急事業による計画的な復旧整備に着手しています。  19ページを御覧ください。  林道についてです。  松前町を除く県下19市町において、山側のり面や写真のような路側の崩壊など、全路線の約16%に当たる213路線、1,473カ所が被災し、被害額は約41億円となっています。被災箇所のうち、災害査定を経て国庫補助対象となった102路線、147カ所については、事業主体である市町等において手続の整った箇所から順次発注しており、105カ所が着手済みであり、うち24カ所の復旧が完了しています。  今後は、着手済みの箇所について、工期内の確実な竣工を図るとともに、災害関連緊急治山事業など、他事業の竣工後でないと着手できない箇所については、その進捗状況に合わせて可能な限り早期着手できるよう、引き続き市町等に対し指導・助言を行うこととしています。  20ページを御覧ください。  林産施設等についてです。  被害件数は、製材施設木材生産機械木材運搬用トラック特用林産物加工施設などが32件、干しシイタケなど林産物の被害が8件であり、被害額は約9億8,000万円となっています。復旧状況は、被災した林産施設等32件中26件については既に復旧を完了しており、4件については、現在復旧中となっています。また、復旧に際しては、グループ補助金のほか、経営体育成支援事業、民間の保険などを利用して行っています。  今後、復旧中の事業体については、早期の復旧完了に向けて引き続き助言や補助金申請事務手続のサポートを行うこととしています。  21ページを御覧ください。  水産関係のうち漁港についてです。  今治市や宇和島市を中心に、山側からの土砂流出のほか、漂着流木による泊地の一部埋塞や陸閘損壊、河川の増水による護岸崩壊など23件の被害が発生し、被害額は約1億9,000万円となっていますが、本年7月末までに全ての復旧工事が完了しています。  22ページを御覧ください。  漁具倉庫共同利用施設等についてです。  肱川の氾濫や土砂崩れにより、陸上養殖施設の一部損壊など、漁具倉庫等の被害が11件、内水面漁協事務所床上浸水被害が1件、計12件の被害が発生し、被害額は約1億4,000万円となっています。復旧状況については、グループ補助金のほか、日本商工会議所や市町の補助、漁船保険などを活用して6件の復旧が完了し、残る6件についても今年度末までには生産施設の移転新築や設備の修繕等で復旧が完了する予定となっています。  最後になりますが、本県の基幹産業である農林水産業に大きな被害を与えました西日本豪雨災害の発生から1年が経過し、各分野で着実な復旧が進んできているところではありますが、特に被害の大きかった柑橘園地については、生産性の向上とあわせて災害にも強い樹園地への再建を図りながら、災害前よりも数段パワーアップした柑橘王国愛媛としての完全復興を目指して取り組んでいるところでございます。今後も組織の総力を挙げて復旧・復興対策を進めてまいりますので、委員の皆様の御理解と御協力をよろしくお願いいたします。  説明は以上でございます。 ○(高橋英行委員長) 以上で理事者の説明が終わりました。  委員の皆さん、議題に関する質疑はありませんか。 ○(岡田志朗委員) 本当に大変だと思います。そんな中で、しっかりとした対応をしていただいてありがたいと思っております。  施工業者が減少している中で、入札不調ということがよく話題に出ますけれども、この災害復旧工事における業者不足が懸念されている中、もしわかれば今の発注状況を教えてください。 ○(農地整備課長) 農地・農業用施設災害復旧工事入札状況ですが、これまでに303件のうち、6.6%にあたる20件で入札不調が発生しております。ただ今後、樹園地復旧工事等が本格化していくにしたがって入札不調の増加が懸念されますので、県の土木部局等と発注に係る情報交換を行い、対策を講じてまいりたいと考えています。 ○(岡田志朗委員) そういう対応をされていることについてはありがたいと思っております。早く復旧したほうがもちろんいいわけですから、地域外の業者に頼るという考え方もあるんですが、ただ、地元の感覚で言えば、可能な限り、地元のことを熟知している地域内の業者に復旧していただきたいという思いもあります。復旧工事の量が多く、手いっぱいのところはあるかもしれませんが、例えば少し工事期間を長くするなど、地元に配慮した対応については、今どういうお考えでしょうか。 ○(農地整備課長) 災害復旧工事期間が、発災後3年以内でございまして、工期の確保につきましては、一つの課題となることは承知しておりますけれども、現時点では、この3年以内の完成を最優先に考えて取り組んでおります。 ○(農業振興局技術監) 少し補足させていただきますけれども、これから施工業者の不足などが十分懸念され、入札不調対策については、発注ロットや、委員もおっしゃられた発注工期の設定が重要になってきます。そのため、市町と情報を共有しており、特に南予地域では、執行促進会議を通して県の土木部及び市町のすべての発注機関でこれらの課題を共有するほか、建設業協会の方とも意見交換をするなど、円滑な工事の実施に努めることとしております。 ○(赤松泰伸委員) 関連して。今、どこの業界も一緒ですが、公共事業の縮小に伴いまして、地元でも土木業者は半減しており人材不足で、もういい話が余りにない中での今回の災害復旧工事で、業者は手いっぱいです。手をつけようにも、災害と通常の工事があって大変な状況であることは、もう皆さん御承知のとおりなんです。今、技術監がおっしゃったように、土木部や建設業協会と連携しながら、3年以内の工期で全部やることが本当にできるのか。できるだけ効率的にというのは当たり前の話ですので、計画的にどう進めていくかを今から準備していかないと。災害復旧工事を優先するにしても、通常の工事も含めて工事量を調整して、地元業者が受注しやすくなるよう、柔軟な対応を国に働きかけていただきますように要望しておきたいと思います。これは議論しても始まらないので、皆さん方がどこまで知恵を出してやっていただけるか、御苦労かけます。本当によろしくお願いします。 ○(岡田志朗委員) あわせて私からも要望です。先ほど赤松委員が言われたのと同じことにはなるのですが、災害復旧の工期が3年しかないとすれば、もし機械を買ってもあと3年後にこの工事が終わる、だったらリースで対応するしかない。人もどこかから借りてきて対応しないと、正式に雇うことはできないという話になる。例えば災害復旧工事だけではなく、今後10年間に防災・減災事業等の一般事業を含めて、安定的に工事を実施すると明確にできれば、業者側も積極的に設備投資や雇用拡大に動くと思います。こうした施工業者の確保に向けた長期的対策も必要ではないかと思いますので、よろしくお願いします。 ○(高橋英行委員長) 委員の皆さん、議題に関する質疑はございませんか。 ○(浅湫和子委員) 15ページの柑橘産地の復興に向けたソフト対策の取り組み状況で、労働力の確保のところに、アルバイター、ボランティアの宿泊施設を確保、令和元年度は8月から募集を開始とあり、南予地域の復興のためにも、労働力の確保は重要な課題であると思います。私は、宇和島市に来られている外国人技能実習生とのつながりが少しあるのですが、そういった外国人技能実習生の募集やかかわり、また取り組みがありましたら教えていただきたいのですが。 ○(農地・担い手対策室長) 復興に限定した受け入れではありませんが、昨年10月現在で、県内の農業分野における外国人技能実習生は164人となっておりまして、その約6割が南予地域に従事していらっしゃいます。南予地域は、以前から外国人技能実習生の受け入れに積極的でありまして、八幡浜市の選果場等では外国人技能実習生が、毎年作業に従事されていますので、労働力の確保という点におきましては、外国人技能実習生の受け入れは、進んでいる状況でございます。 ○(浅湫和子委員) ありがとうございます。 ○(宇高英治委員) この間、我々も樹園地等を見せてもらいに県内視察に行ったのですが、地域の方の声を聞いていたら、再編復旧を実際に着手するとなると、これから四、五年先までは本来の生産が上がってこないと。その間の担い手農家の方々の営農継続と収入確保に向けてどのように取り組んでいくのかということをお伺いしたい。もう一つは、今回、県下299haの樹園地が被害を受けたということですが、この299haという数字は、全体の樹園地に対してどのくらいの割合になるか、この2点をお伺いします。 ○(農産園芸課長) 委員御質問の、被災農家の収入確保について御説明させていただきます。  被災農家の生産意欲を失うことがないよう、園地復旧中の収入確保は、本当に大事であります。特に被害が甚大でありました宇和島市の玉津地区におきましては、関係市町の農業委員会と連携しまして、玉津地区の生産者で組織している玉津柑橘倶楽部等が紹介役となって、玉津地区と隣接する明浜町の柑橘園地を確保し、代替園地を希望する農家に貸し出すなどのマッチングを実施しております。県としましては、引き続き、営農継続と収入確保に向け、このような取り組みが広がるよう支援してまいりたいと思っております。 ○(農地整備課長) 先ほど委員から御質問のありました、被害のあった樹園地が全体のどれぐらいの比率かということですが、県下全域で1万5,000haの樹園地がございまして、299haが被災しましたので、約2%になります。 ○(宇高英治委員) もう一点、林道についてお伺いします。地元の四国中央市では、山腹の崩壊等によって林道が大きく被害を受けており、山ののり面が全部崩れてしまって、盛り土等をしないと林道をもとの形に復旧できない状況が続いています。先ほどからお話が出ておりますが、できればそういうところは柔軟に、地形に合わせた林道をつくってもらうようなことをすれば、非常に早く安くできるのではないかと思います。どうしても林道の場合、原形に復旧することがまだ前提にありますので、そういった林道における復旧工事の柔軟性についてはどうお考えなんでしょうか。 ○(林業政策課長) 林道における災害復旧工事は、国の災害査定を受けて進めております。その災害査定を受けるにあたりまして、林野庁とも協議しながら、現地の状況に十分に配慮しつつ、最適な工法で計画するよう努めております。 ○(宇高英治委員) 最後にお願いです。林道の工事着手は進んできておりますが、完成までにはほど遠いところがほとんどですので、引き続き早期完成を目指し、対応していただければと思います。 ○(高橋英行委員長) よろしいですか。ほかにございませんか。 ○(赤松泰伸委員) 先般、この委員会で地域の声を聞く会がありまして、南予果樹同志会の会長や玉津柑橘倶楽部の方、柑橘加工業をされている方などのお話を聞きました中で、きのう知事の記者発表にもあった再編復旧についてのお話がありました。対象地区が急傾斜部なので費用対効果の問題があり、復旧計画について腑に落ちていないということでした。私の地元ですし、気になって、計画に反対する人がいて何か言われてやるということでは意味がないので、玉津地区の共選長に確認をとりましたところ、それは誤解で、そのときに出席した人たちは生産者から聞いた話であって自分たちの意思ではなく、きちんと前を向いていこうとしているという話を聞きまして、きのうの記者発表は気持ちのよいものになっているのだと思い、大変安心いたしました。  今、玉津地区だけの話をしておりますけれども、若い農業者を中心に、今回の再編復旧を契機として、産地全体で将来を見据えた効率的な園地の再整備に取り組んでいくという機運が高まっております。禍転じて福となす。将来的に後継者が残って、認定農業者が柑橘生産をし、すばらしい柑橘産地の再編ができればいいと共選長が話しておりまして、私も本当にそのとおりだと思いました。できれば、JAや県も後押しをして、再編復旧がてこになって全体を押し上げていくという取り組みをしていただきたいと思いますけれども、その辺のお考えをお聞かせいただければと思います。 ○(農産園芸課長) 委員のお話のありましたとおり、被災地区で高まっている産地強化の機運を大切にしながら、急傾斜で多大な労力を要していた被災園を、省力化された高性能な全国に誇れるモデル園地に再編できるよう全力で支援しなければいけないと思っております。そして、次世代のためにこの高性能な園地を拡大させるには、まずは地元の若い担い手が自ら将来の産地像をきちんと描くことが本当に大切だと思っておりまして、その後、関係機関の連携のもとでそれらを実現させていくことになろうと思います。  県といたしましては、生産者のビジョンを実現するため、現場対応しております普及指導員が中心となって栽培技術や経営面、さらには各種補助事業の活用についてもきめ細かく支援したいと思っております。そしてそれがだんだんと全県下に広がり、県全体で被災前よりも進化した産地づくりができるよう、総力を挙げて取り組んでいきたいと思っております。 ○(農地整備課長) 先ほど農産園芸課長から話がございましたが、今回の玉津地区再編復旧事業は、担い手のために行う事業でございまして、担い手への農地集積や収益性の向上に直結する事業を展開していきたいと思っております。まさにこの吉田町玉津地区再編復旧を、一つの起爆剤として、今後も、宇和島市吉田町をはじめ、県下の樹園地の整備に取り組んでいきたいと思っています。  ただこの樹園地の整備には、やはり地元の方の合意と熱意が必要でございますので、県といたしましては、今後も地域の合意形成を後押しし、しっかり支えていきたいと思っておりますし、県下にこういう輪がどんどん広がっていくことを期待しております。 ○(農林水産部長) 一言補足を。委員のおっしゃるとおり、今回の玉津地区再編復旧は、吉田地区だけに限らず、南予を中心とする柑橘農業振興に対して非常にシンボリックな取り組みと位置付けております。必ず成功させて、10年後の南予の柑橘農業のあり方を示すランドマークになってほしいと感じております。  吉田地区は、愛媛県で最古の温州ミカンの産地というプライドがあり、また、非常に温州ミカンの栽培に適した土地柄ということで、温州ミカン一本でここまで来られています。樹園地の傾斜を緩やかにする整備を行うことを契機として、紅プリンセスに代表される高級中晩柑等を導入することで、労働時期の平準化や、農家自体の収益力の向上にもつながるということを、まずは周りの農家に知ってもらう。東予、中予など愛媛県のほかの柑橘地域の方にもそこを御覧になっていただき、機運が盛り上がっていただければ、これにまさるものはないと思っております。そういう意味でもこれらの取り組みは、非常に大事であり、とにかく全力でサポートし、県下全域に波及させていきたいと考えております。 ○(赤松泰伸委員) ありがとうございます。  労働力の確保は今に始まった話ではないので、釈迦に説法ですけれども、今、部長の答弁を聞いて大変ありがたく心強く思いました。  果樹農業は、土地と品種と労力を適切に組み合わせることが重要なのです。今回の再編復旧は、省力化しながら所得を確保する営農が期待できます。この再編復旧をモデルとした園地の省力化・高性能化への取り組み、将来的な労働力不足の改善などを玉津地区の30歳代の若手農家が、今一生懸命考えています。本当にやる気になってくれているのを肌で感じています。今の部長の答弁のように、その辺をできるだけ県においてもバックアップしていただけますように、心からよろしくお願いしたいと思います。 ○(岡田志朗委員) あわせてなんですが、本県の果樹農業は柑橘だけではないんですよね。落葉果樹、例えばキウイフルーツも日本一です。そういう意味で、今の部長のお話は、柑橘に限らず、広く果樹全体について災害をプラスにするというモデル地域となって、防災・減災対策、樹園地の省力化や高性能化に対し、担い手の人たちが意欲を持って取り組めるように少し幅を広げて支援していただければありがたいと思いますので、よろしくお願いします。 ○(高橋英行委員長) よろしいですか。暫時休憩します。再開は11時10分にいたします。                  午前10時54分 休憩               ――――――――――――――                  午前11時10分 再開 ○(高橋英行委員長) 再開いたします。  せっかくの機会でありますので、議題もあわせて、所管事項も含めて質問はありませんでしょうか。 ○(山崎洋靖委員) 先ほどからこの災害復興に対して皆様の熱い思いを聞いて、少し感動しております。先日、南予に視察に行きました。ミカン農家は急斜面で作業されていて本当に大変だなと子供のころから思っていましたけれども、先ほどからお話に出ています再編復旧に関しまして、こういう新たな、柑橘栽培の時代が変わるようなモデル地域に整備されることを大変うれしく思います。  この件に関していろいろ質問しようと思ったのですけれども、先ほど委員の皆さんや理事者の皆さんからも御答弁いただいたので、少し細かな話をさせていただきます。15ページにあります、最近非常に耳にするドローンの防除用農薬適用拡大試験について、聞くところによりますと、1ha当たりを数十分で農薬散布してしまうということなんですけれども、今後のドローンの適用拡大について、県としての考え方をお聞かせ願えればと思います。よろしくお願いします。 ○(農産園芸課長) ドローンの今後の展開でございますが、昨年度、園地内外のスプリンクラー施設が破損しまして、軽トラックの乗り入れができない園地において、ドローンによる病害虫防除が行われました。この結果、10a当たりの散布時間は10分程度、経費は農薬代を除き6,000円から8,000円程度で、多少の散布むらはあるものの、スプリンクラー並みの薬液付着があることを確認しました。  しかしながら、ドローンによる散布は完成された技術ではないことから、今後の防除作業の省力化や、スプリンクラー防除の代替として試験研究機関が中心となって、ドローンによる体系的防除技術の確立に向けた実証に鋭意取り組んでいるところです。 ○(山崎洋靖委員) ありがとうございました。 ○(高橋英行委員長) ほかに質問はありませんか。 ○(石井智恵委員) 先ほどの報告も含めて災害対策について、職員の方を初め関係者の皆様の御努力によってここまで整備されていることに対して、本当に頭が下がる思いで敬意を表したいと思っています。ハード面に関してはとても整ってきていると思っております。そしてまた、復興に向けて皆様が一致団結されている御様子も伺えました。  これは質問ではなく、要望になりますが、先日、県内視察に行ったときに、大洲市の方から、災害直後のメンタルケアが非常に重要であったというお話がありました。災害から1年たちまして、徐々に落ちついてきていると思いますけれども、家族経営や1人で頑張っている被災農家のメンタルケアについても十分注意をしていただいて、もし落ち込んだり少し悩んだりされている方がいらっしゃったら、すぐに対応できる体制をつくっていただければと思っております。営農へのモチベーションが下がって、やる気がなくなったり、途方に暮れたりすることがこれからも多くあると思いますので、そういったメンタルケアの充実について、災害復興含めて取り組んでいただければと思っております。 ○(高橋英行委員長) 何か現状で取り組んでいるものがもしありましたら、実績や実態などについて、答弁を求めたいと思います。 ○(農地・担い手対策室長) 昨年8月末、公益財団法人えひめ農林漁業振興機構に、県・市町のOB及びJA職員14名を配置しまして、ことしの3月まで、農家のメンタルケアを含めて、補助事業の情報提供やアドバイス等の営農相談活動を実施しました。現在は、各農業改良普及員等が引き継いで対応しております。 ○(石井智恵委員) ありがとうございます。 ○(農産園芸課長) ご質問のありました、いろいろな相談に対する取り組みでございますが、昨年の豪雨災害後、各地方局、支局に相談窓口を設けまして、メンタルケアを含めた被災者からの各種相談に対応しております。復旧支援策に関する相談を中心に、これまでに3,000件を超える相談がありました。今後とも被災者に寄り添いながら丁寧な対応をしていきたいと思っております。 ○(高橋英行委員長) よろしいですか。 ○(石井智恵委員) ありがとうございます。 ○(高橋英行委員長) ほかに質問はございませんか。 ○(岡田志朗委員) 被災されたことによって、逆にパワーアップにつなげることが一番大切だと思います。JAえひめアイパックスが被災を受け、現在災害対策を進めているようですが、輸出を見据えた機能強化も必要だと思います。これは、何回も言っていますけれども、畜産農家からすると、JAえひめアイパックスがHACCP対応をすることは本当に大きな光を見出すことになると思います。今回の災害に対していろんな取り組みをする中で、その延長線上でHACCPの取得状況について教えていただければと思います。 ○(畜産課長) 今回の災害で、JAえひめアイパックスは非常に大きな被害を受けまして、約1億円の経費をかけて災害対策に取り組んでいます。HACCPにつきましては、昨年、ISO22000を取得しておりまして、基本的なHACCP対応はできている状況です。委員がおっしゃられている、今後、輸出に向けた対応ができるかということですが、現段階では、東南アジアへの輸出はある程度可能性があり、検討を進めております。昨年、香港への輸出認証は取得したところです。ただ、施設的に古いところもあり、全ての国に対応できておりませんので、引き続き施設整備については検討していく必要があると考えております。 ○(岡田志朗委員) 済みません。1年間農林水産委員会にいない間にすばらしい成果を出していただいてありがとうございます。ただ現状として、東南アジア以外への畜産物の輸出についてはどうなんでしょうか。少し教えていただければ。 ○(畜産課長) 畜産物の輸出につきましては、緒に就いたところでありまして、今後、どうしていくかという段階だと考えております。これまでに、試験的にシンガポールや台湾など東南アジアへのテスト輸出の取り組みを進めてきたところであります。輸出につきましては、販売先の確保等も重要でありますので、今後、輸出国における販路の開拓も含めて、方向性を検討していきたいと考えています。  また、ヨーロッパ、アメリカ等への輸出につきましては、大きな施設投資が必要となりますので、本県の生産規模等に見合うものであるかも考えた上で、今後、さらに検討を進めていきたいと考えております。 ○(岡田志朗委員) ありがとうございました。 ○(高橋英行委員長) ほかに質問はありませんか。 ○(渡部浩委員) 先ほど山崎委員の質問にあったドローン防除について、昨年の豪雨災害を受けて、我々も各地域の要望を聞きました。その中で、柑橘で使用できる農薬は限定されており、農薬メーカーでは登録に多大なコストがかかるという話がありました。どのような薬剤が使用できるか、現状をどれくらい把握しているかそのあたりをわかれば教えていただきたい。 ○(農産園芸課長) 現在、スプリンクラーや手散布においては多くの農薬が登録されておりますが、ドローン防除では現在2剤しか登録されておりません。このため、ドローン防除において優先的に登録すべきと考えられる5つの薬剤を選定し、そのうち3剤につきましては、5月から果樹研究センターで薬効や薬害の確認試験を行っているところでございます。  具体的には、ノズル形状の検討による散布液の霧状態の改善、葉や果実への薬液の付着むらの解消、防除効果の安定化など、実際の柑橘園地での使用場面でクリアすべき課題を明確にして試験を実施しております。  現在登録されている2剤にこれらの優先薬剤を加えることで、ベースとなる基幹的な防除体系を確立することとしており、本県の研究成果をもとに、防除効果の高い登録薬剤数を増やすことで、生産力の省力防除につなげていきたいと思います。 ○(渡部浩委員) わかりました。農薬メーカーが農薬を1種類登録するのに7,000万円も8,000万円もかかるということを聞いておりまして、開発して登録するにはそれくらいかかるんだろうと思います。ドローンは省力防除に有効だと考えますので、今後も農薬メーカー等と協力して薬剤の適用拡大を図り、農作業の省力化につながるよう頑張っていただきたい。これは要望でお願いしたいと思います。 ○(高橋英行委員長) よろしいですか。ほかに質問はございませんか。 ○(赤松泰伸委員) どこまで情報を把握されているかわかりませんが、今、三重県において、アコヤガイのへい死が発生していまして、かなり深刻な状況になりつつあるという話が入ってきています。これは異常気象によるものなのか栄養不足なのか原因はまだわかっていないと思いますが、本県でのへい死状況はどうなっているのか。  真珠産業は、平成8年にアコヤガイの大量へい死が発生し、本当に大変な状況の中で、昨年度の販売等々、ある程度これでやっていけるかなというところまできましたが、またアコヤガイが大量へい死した場合、来年の母貝確保に向けてどう取り組むのか。今の時点で返事ができるところまででいいですから、お聞かせください。 ○(水産課長) 委員おっしゃったように、先月、今までに見たことのないアコヤガイのへい死が三重県で確認されたことを受けまして、県内の状況を調査しましたところ、その段階では、三重県のようなアコヤガイのへい死は、本県では見られませんでした。
     ただその調査の課程で、少し死んでいるという話が現場でありまして、主産地である下灘、内海、下波、北灘を中心に聞き取り調査を行いましたところ、生産者によって、かなり多くへい死している、ほとんどへい死していないなど状況は様々でございました。7月下旬に、水温がかなり高く、餌となるプランクトンが非常に少ない急潮が宇和海に流入したタイミングで、貝掃除などの作業を行った業者にへい死が多い傾向が見受けられましたので、この急潮や作業が影響している可能性はあると思われますが、今後、水産研究センター等による調査も含めまして、詳細な状況把握と原因究明のための調査を行う予定です。  委員御心配されている来年の母貝の確保については、状況把握をした上で、調査結果次第では今後系統団体等とも相談し、種苗増産の可能性等について検討したいと思っています。 ○(赤松泰伸委員) ある程度掌握していただいておりましたので、安心をいたしました。今後、愛媛県でも大量へい死が発生した場合には、真珠生産への影響は極めて大きいですので、母貝の確保のほか、漁家への支援を含めた対策の検討をお願いしておきたいと思います。これは、要望です。  あわせて、もう一点。最初の委員会のときにも言いましたが、技術職員の皆さんは本当によくやっていただいています。皆さんのおかげで今の愛媛の農林水産業があるんだと思っています。この間、この委員会の視察で水産研究センターに行かせていただきました。水産研究センターも大きな役割を担っていただいておりますが、施設の老朽化が著しく、この施設はこのままではいけないのではないかと。全面改修というわけにはいかないでしょうけれども、今後、計画的な改修整備をする時期に待ったなしで来ているのではないかという思いがいたしましたが、その件についての所感をお聞かせいただければと思います。 ○(水産課長) 先日は遠方にもかかわらず、御足労いただきましてありがとうございました。見ていただいたとおり、水産研究センターの施設の多くは、昭和55年の開設から39年が経過しまして、海の近くという立地条件も重なり、近年老朽化や塩害に伴う破損が非常に激しい状態であることは我々も認識しております。  委員からもおっしゃっていただいたように、水産研究センターは、本県養殖業の下支えをする試験研究機関として、今後、スマやアコヤガイの優良系統の作出、新たな養殖魚種の開発普及、AIなど新技術を活用した赤潮監視・予測技術の開発、担い手育成のための高度な研修等に積極的に取り組む場合、現状では試験研究にも支障を生じかねない状況であり、施設の整備更新が必要であると考えております。  このため、生産現場のニーズを踏まえまして、今後、どのような研究が必要なのか、そのためにはどのような施設が必要かなど、総合的な検討を行っているところでございます。 ○(赤松泰伸委員) 水産県えひめを維持していくためには、計画的な水産研究センターの整備が不可欠です。財政の話もあるでしょうから、ここでの返事はまだ無理でしょうけれども、部長、水産局長も頑張っていただいて、県民の皆さんや第一次産業にかかわる人に水産研究センターの整備計画を早く開示できるように頑張っていただきますよう要望としてよろしくお願いしたいと思います。 ○(農林水産部長) 応援ありがとうございます。私どもも現状のままでよしとしているわけではありませんので、重要性は認識しております。ただ言いわけがましくなりますけれども、私どもには研究所が多々ございますが、ああいう状況になっているのは水産研究センターだけにとどまらず、いろいろな施設が老朽化しております。さらに言えば、農林水産部以外でも、共通の課題を抱えているものと思っております。  その中で、行政としては、限られた財源の中でどうしても優先順位をつけて検討する必要があります。御覧になっていただいた水産研究センターにおきましては、スマの量産のための施設がことしの3月に完成したところでございます。それでは、来年度以降どうするのかという問題は、おっしゃるとおり、やみくもに古いから直すということでは通りませんので、新たな魚種の開発をはじめ、既存の魚種の試験研究をどう進めるのか、不要となる研究はないかなどを部内で検討しております。その上で、必要な施設整備のあり方について、部内でも優先順位を考えながら、この委員会の御意見を追い風に、庁内で調整、折衝していきたいと思いますので、引き続きまして応援をよろしくお願いいたします。  以上でございます。 ○(高橋英行委員長) ほかに質問ありませんか。                〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○(高橋英行委員長) それでは、質問もないようですので、質疑を終了いたします。  本日は、要望が多かったと思いますけれども、チーム農林水産委員としてしっかり応援してまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。  以上をもちまして、農林水産委員会を閉会いたします。                  午前11時40分 閉会...